【内耳炎】

内耳炎は外耳炎や中耳炎に比べて発症する可能性が低い病気であるといえます。
しかし、 発症する部位が平衡感覚を司っている三半規管を含んでいるため、症状は外耳炎や中耳炎よりも深刻になりやすい病気といえます。
ここでは、内耳炎の原因や症状、治療法などを紹介していきます。

内耳炎について

内耳炎は、鼓膜よりも奥にある内耳に炎症が発生する耳の病気です。内耳は身体のバランスを司る三半規管と聴覚を司る蝸牛、三半規管と連動する前庭の三つの器官から構成されています。内耳炎はこの蝸牛と三半規管に強い影響をもたらす病気なのです。

内耳炎の原因

内耳炎は単独で発生する病気ではなく、中耳炎から発展して起こる病気です。慢性化した中耳炎は内耳と外部を遮断している鼓膜に穴を開ける鼓膜穿孔を、もしくは炎症によって組織が腫れて肉芽になる真珠腫性中耳炎への発展を引き起こします。
鼓膜の穿孔や真珠腫による内耳骨の破壊は、中耳炎の発症の原因となっている細菌やウィルスを内耳に到達させる役割を果たし、内耳炎を引き起こすことに繋がるのです。

内耳炎の症状

外耳炎の症状には、激しい耳の痛みと痒みが挙げられます。症状が進行すると強い臭いを伴う黄色、または白色の耳垂れが出るようになります。外耳道が炎症によって腫れ上がる「びまん性外耳炎」が起こると聴力の低下を招くため、中耳炎と取り違えられることが多々あります。また、耳におできが発生する「限局性外耳炎」は、おできが破れると膿と出血が出ることがあります。

外耳炎と中耳炎の違い

内耳は聴覚と平衡感覚を司る器官でもあるため、内耳炎を起こすと外耳炎や中耳炎よりも強い症状が現れます。主な症状としては耳鳴り・めまい・難聴がありますが、吐き気を伴う強差を持っているのが特徴です。症状が現れると慢性的なめまいやふらつきが表れるため、日常生活に支障が出てくることがあります。内耳炎によって引き起こされる難聴は中耳炎と違って、聴覚の感覚細胞が集まっている蝸牛が壊されることで起こる感音性難聴のため、完治後の問題となる場合があります。

他の原因

内耳炎の多くは中耳炎からの発展によって発症したものですが、髄膜炎から発展して発症するケースもあります。髄膜炎は、脳を保護する髄膜に炎症が起こる病気でインフルエンザ桿菌やヘルペスウィルスなどが血流に乗って内耳に運ばれることによって発症します。髄膜炎性の内耳炎は、頭痛や高熱などの髄膜炎の症状を伴うため、中耳炎性の内耳炎よりも症状が重くなります。

内耳炎の問題

内耳炎は、中耳炎や外耳炎よりも重い耳の病気であるといえます。難聴や耳鳴りだけでなくめまいまでも引き起こす上に、「まっすぐに歩く」という当たり前のように出来ていたことが出来なくなってしまうからです。それに加えて、難聴によって低下した聴力は内耳炎が完治しても回復しないため、日常生活への影響は大きなものとなってしまいます。中耳炎や髄膜炎は、内耳炎に発展しないうちに治療してしまうことが重要なのです。

内耳炎の治療

内耳炎の治療は、発症の原因となっている細菌やウィルスに対する抗菌療法で行なわれます。原因に応じた抗生物質の投与や、症状を緩和するためのステロイド剤の投与を行って治療を行なっていきます。難聴やめまいの対策としてビタミン剤や抗めまい薬を投与する場合もあります。髄膜炎性内耳炎の場合、髄膜炎で意識障害を引き起こす恐れもあるため充分な配慮が必要となります。

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