【聴神経腫瘍】

人間の身体の感覚は、神経と脳によって処理されています。
しかし、神経が腫瘍などに圧迫されてしまうと感覚は鈍ってしまうという弱点を持っています。
耳の聴覚に関係する聴神経に腫瘍が発生する聴神経腫瘍は、神経にどのような影響を与えどのような症状をもたらすのでしょうか?

聴神経腫瘍について

聴神経腫瘍とは、内耳にある蝸牛から脳を繋いでいる聴神経周辺に腫瘍が発生する耳の病気のことです。聴神経腫瘍は耳の病気の中でも数少ない命に関わりうる病気であるため、早期発見と治療が重要になります。

聴神経腫瘍の原因

聴神経腫瘍の発症の原因は解明されていませんが、症状の中心となる部位などのメカニズムは解明されています。正確には「聴神経」ではなく、蝸牛の手前にある「前庭神経」に腫瘍が発生して蝸牛や聴神経を圧迫することで聴神経腫瘍の症状が発生しているのです。最近では、聴神経腫瘍の発症の原因が遺伝子にあると考えられており研究が進められています。

聴神経腫瘍の症状

聴神経腫瘍の症状は、耳鳴り・めまい・難聴にめまいから来る吐き気などの耳の病気に見られる主症状に加えて、顔面麻痺や味覚障害などへの発展があります。聴神経腫瘍が起こる内耳は脳に隣接しているため、腫瘍の増大によって脳が圧迫されてしまうことが多いのです。
そのため、他の耳の病気では起こりにくい顔面麻痺などの症状が現れてしまうのです。

聴神経腫瘍の問題

聴神経腫瘍の診断は、MRI検査によって行なわれます。一般的なCTスキャン検査では腫瘍が小さすぎて映像で発見することが困難なためです。それに加えて、初期症状が他の耳の病気と同じ耳鳴り・めまい・難聴が発生するため、問診では中耳炎や内耳炎との区別が付けられないのです。また、聴神経腫瘍は良性の腫瘍ですが発生する場所が場所なだけに、腫瘍の増大が続くと命に関わる危険性が増す性質を持っているのが最大の問題であるといえます。

聴神経腫瘍の治療

聴神経腫瘍の治療は外科手術によって行なわれることが一般的です。しかし、腫瘍の大きさがMRI検査をしてようやく発見出来る程度であるため、手術には非常な困難を伴うといえます。

外科手術

聴神経腫瘍の手術は、後頭部からの開頭または耳の後ろを切開して顕微鏡を通しての腫瘍切除手術が行なわれます。最近では開頭手術を伴わない、患者の負担が小さい耳の後ろからの手術が多くなっているようです。

ガンマナイフ治療

最近聴神経腫瘍の新しい治療法として注目を浴びているのが、外部からの放射線照射療法です。特に、小さなエネルギーの放射線照射を組み合わせて患部で最大の効果を発揮するガンマナイフを使ったガンマナイフ治療が着目されています。病院によってはガンマナイフと外科手術を組み合わせて患者の負担を最小限に抑えた治療法が行なわれています。
しかしガンマナイフ治療は、導入されていない病院も少なくないことや治療費が外科手術よりも高くなることなど、問題は山積みであるといえます。

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