【小耳症】

耳は顔の印象に直結する要素の一つで、目や鼻と同じくらいに似顔絵を書く際に強調しやすい部位でもあります。
しかし生まれつき耳が小さい小耳症は、「個性としての耳の小ささ」ではなく「聴覚を阻害する耳の小ささ」を発生させてしまいます。
ここでは、小耳症について紹介していきます。

小耳症について

小耳症は、その名の通り耳が小さいことで外見や聴覚に支障が出る耳の病気です。小耳症は中耳炎などのような後天的な病気ではなく、生まれたときからの先天的な病気であるのが特徴の一つです。

小耳症の原因

小耳症は、簡潔に言えば「耳の奇形」です。およそ6000人に1人の割合で発生する小耳症は、妊娠中に受けた外的要因などによる形成不全が原因となります。小耳症の原因には遺伝も疑われていますが、関連する遺伝子などが特定されていないため遺伝との関係は未だ未解明です。小耳症の原因となる形成不全は、妊娠3ヶ月以前に受けた外的要因の影響によって起こると考えられています。

小耳症の症状

小耳症を発症することで起こる症状としては外耳道が閉塞を起こす「先天性外耳道閉鎖症」が挙げられます。先天性外耳道閉鎖症は小耳症と合併する形で起こる病気で、耳殻から中耳までの外耳道の一部が塞がってしまっているのが特徴です。
小耳症の症状は、右・左の一方または両方に現れますが、右耳に症状が現れるのが症例の半数を占めています。また、発症患者は女子よりも男子の方が倍近くも多いという統計もあるようです。

小耳症の悩み

小耳症は、外耳道閉鎖を伴うことが多いため先天的な難聴を併発することがあります。小耳症で変形した耳の見た目はあまり良いものではなく、周囲からの反応が気になることも少なくありません。このように多感な時期の子供にとって、小耳症は様々な悩みの種となりうるものなのです。また、周囲の小耳症への理解が少ないということも悩みの一つであるといえます。
小耳症を患っていると、耳で眼鏡のツルを支持できないため視力矯正に影響を及ぼす場合もあります。

小耳症の診断

小耳症の診断は、聴覚の有無の確認を前提にして行なわれます。手術を受けたとして聴覚がどこまで回復するのか、両耳に外耳道閉塞が見られる場合はどちらの耳に聴力があるのかなど、後の治療のために必要なことを調べる必要があるのです。

小耳症の治療

小耳症の治療では、耳介再建を目的とする形成手術が行なわれます。肋骨周辺にある肋軟骨を削りだして製作したフレームを耳に移植し、数度にわたって耳の形を整えていく手術法です。この耳介再建手術は立体的な耳を形成することが出来るので、小耳症だけでなく耳介がない無耳症にも適応出来るのが特徴です。しかし、左右の耳のバランスを完全に対称に形成できるわけではないので、やや不自然さが残るのが難点といえます。小耳症の手術は、耳の大きさが成人と変わらなくなり手術に必要な肋軟骨の切除が可能になる10歳前後が適応年齢とされています。

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